【プロ監修】ユニック車(クレーン付)の正しい使い方と、事故を防ぐ5つの安全ルール

公開日:2026-03-11
更新日:2026-09-09
(画像は株式会社Noa Corporation様掲載車両となります。)

ユニック車の使い方|操作前の確認と事故を防ぐポイント

クレーン付きトラックは、資材の運搬と積み下ろしを1台で行える便利な車両です。一般に「ユニック車」と呼ばれ、建設・土木・設備・造園など幅広い現場で使用されています。

一方、作業半径、ブームの長さ、アウトリガーの張出幅、荷の重さ、地盤の状態などによって車両の安定性は変わります。操作を誤ると、車両の転倒、荷の落下、周囲との接触、電線への接近による感電など、重大な事故につながるおそれがあります。

この記事では、ユニック車を借りる前に確認したい基本事項、事故を防ぐための注意点、必要な免許・資格を解説します。

最初にご確認ください
クレーンの始動・停止、PTO、アウトリガー、ブーム、フックの格納方法は、メーカー・型式・架装仕様によって異なります。本記事だけで操作を判断せず、実車の取扱説明書、定格荷重表、警告表示、勤務先の作業手順、貸出店舗による説明を優先してください。

1. ユニック車を使う前に確認したい基本5ステップ

ここでは、特定の車両の操作手順ではなく、作業前から格納までの確認の流れを紹介します。実際のスイッチやレバーの操作は、使用する車両の説明に従ってください。

ステップ1|作業内容と必要資格を確認する

荷の重量・形状・重心、つり上げる高さ、想定する作業半径、設置場所を確認します。運転免許だけでなく、クレーンの運転と玉掛けに必要な資格を保有しているかも作業前に確認してください。

ステップ2|車両と作業場所を点検する

平坦で支持力のある場所を選び、路肩、傾斜、埋設物、側溝、マンホール、軟弱地盤などを確認します。周囲の人、建物、樹木、電線などとの距離も確認し、必要な作業範囲を確保します。

ステップ3|車両の説明に従って設置する

パーキングブレーキ、輪止め、PTO、アウトリガーなどを、実車の取扱説明書と貸出時の説明に従って操作します。PTOの操作方法は車両によって異なるため、「必ずクラッチを踏む」など一律の方法で判断しないでください。

アウトリガーは左右均等かつ最大張り出しで作業できる場所を確保することが基本です。最大まで張り出せない場合は、その状態での作業に対応した機種であることを確認し、実際の張出幅に対応する定格荷重表の範囲を超えて使用してはいけません。フロートの接地、ロック、敷板・鉄板などによる地盤養生も確認します。

ステップ4|試しづり後にゆっくり操作する

玉掛け状態、フックの外れ止め、ワイヤーロープ、周囲の立入状況を確認します。荷を地面からわずかに離した段階で安定と玉掛け状態を確認し、急旋回・急停止を避けて操作します。合図者を定める場合は、事前に合図方法を統一してください。

ステップ5|格納状態を確認してから走行する

作業終了後は荷が掛かっていないことを確認し、ブーム、フック、アウトリガーなどを車両所定の位置へ格納します。PTOを解除し、未格納警報や表示灯を確認したうえで、車両の周囲を一周して格納忘れや障害物がないことを確認してから走行します。

2. 事故を防ぐための5つの安全確認

安全装置が付いている車両でも、作業条件の確認や正しい操作は必要です。次の5点を作業前に確認しましょう。

  • 定格荷重表を確認する:荷の重さだけで判断せず、ブーム長さ、角度、実際の作業半径、アウトリガー張出幅、作業方向に対応する定格荷重を確認します。
  • つり荷の下へ人を入れない:作業範囲を区切り、つり荷の下や荷が倒れる可能性のある場所へ人を立ち入らせないようにします。
  • 地盤と上空を確認する:アウトリガーが沈下する場所や路肩を避け、必要に応じて適切な敷板等で養生します。電線が近い場合は作業を始めず、勤務先の責任者や関係先へ確認します。
  • 横引き・引き抜き・人のつり上げをしない:クレーンを荷の横引き、地中からの引き抜き、人を運ぶ目的など、本来の用途以外に使用してはいけません。
  • 異常時は操作を止める:異音、油漏れ、警告表示、安全装置の作動、操作不能などが発生した場合は、安全を確保して作業を中止し、貸出店舗へ連絡します。安全装置の解除や自己判断による非常操作は行わないでください。

「アウトリガーで車両を浮かせる」は共通手順ではありません
必要以上に車体を持ち上げたり、独自の判断でタイヤを浮かせたりせず、使用する車両の取扱説明書に記載された設置状態を守ってください。

3. 定格荷重・作業半径・アウトリガー張出幅の関係

クレーンの能力は、車両に表示された「最大○t」だけでは判断できません。ブームを伸ばしたり、荷を車両から遠ざけたりすると作業半径が広がり、つり上げられる荷重は小さくなります。

確認項目 確認する内容 注意点
荷と玉掛け 荷の重量・形状・重心、玉掛け用具 荷の重量だけでなく、定格荷重表におけるフックや玉掛け用具の扱いも確認します。
作業半径 旋回中心からフック中心までの水平距離 荷重が掛かるとブームがたわみ、実際の作業半径が広がる場合があります。
ブーム 使用する段数・長さ・角度 ブームを伸ばすほど、つり上げ可能な荷重は一般に小さくなります。
アウトリガー 張出幅、左右の状態、ロック、接地 最小・中間・最大など、張出幅ごとに定格荷重が異なる車両があります。
作業方向 前方・側方・後方などの作業領域 車両によって安定性や定格荷重が異なるため、作業方向も確認します。

「以前使った車両と同じ大きさだから大丈夫」と判断せず、その日に使用する実車の定格荷重表を確認してください。荷の重量が不明な場合は、推測でつり上げず事前に確認します。

4. 運転とクレーン作業に必要な免許・資格

ユニック車を公道で運転する免許と、クレーンを操作する資格、玉掛け作業を行う資格は別に確認する必要があります。

行う作業 区分 必要な免許・資格等
公道での車両運転 車両総重量・最大積載量等による 普通・準中型・中型・大型など、実車と免許取得時期に合う運転免許
移動式クレーンの運転 つり上げ荷重5t以上 移動式クレーン運転士免許
1t以上5t未満 小型移動式クレーン運転技能講習の修了
1t未満 移動式クレーンの運転に係る特別教育の修了
玉掛け作業 つり上げ荷重1t以上のクレーン等 玉掛け技能講習の修了
つり上げ荷重1t未満のクレーン等 玉掛けの業務に係る特別教育の修了

※資格区分は実際につる荷の重さだけではなく、クレーンの「つり上げ荷重」を基準に確認します。作業内容や事業所の安全管理規程によって追加の教育・手順が必要な場合があります。

5. レンタル前に確認する車両仕様と付属品

同じ車格のユニック車でも、クレーンの能力や操作方法、付属品は異なります。車両を借りる前に、次の項目を掲載店へ伝えて確認しましょう。

  • 運ぶ荷の種類、1個あたりの重量・寸法・重心
  • 必要な作業半径、つり上げ高さ、作業方向
  • ブーム段数、つり上げ荷重、アウトリガー仕様
  • ラジコン・リモコンの有無と操作方法
  • フック、ワイヤーロープ、敷板、輪止め、玉掛け用具などの付属範囲
  • 車両総重量・最大積載量と、運転者の免許区分
  • 車両寸法、現場への進入路、設置場所、上空障害物
  • 補償内容、免責額、クレーン作業中の事故・破損の取扱い

トラカリでは仮予約後に車両仕様を電話で確認します
商用車は、同じ車種名でも付属品や架装仕様が異なり、仕事への影響が大きいためです。仮予約の申込みだけで予約確定にはなりません。お客様と掲載店が電話で車両の詳細、付属品、利用条件を確認し、双方で内容を確認した後に予約が確定します。予約確定後、お客様へ予約確定メールが送信されます。

6. ユニック車の操作に関するよくある質問

Q 初めてでもユニック車を借りて操作できますか?
A 貸出可否は店舗・車両・利用目的によって異なります。必要な資格を持っているだけで、実車の操作説明や勤務先の安全教育が不要になるわけではありません。初めて使用する型式の場合は、必ず事前に掲載店へ伝えてください。
Q アウトリガーは必ず最大まで張り出しますか?
A 左右均等かつ最大張り出しで作業できる場所を確保することが基本です。ただし、車両によって最小・中間張り出しに対応する定格荷重が設定されている場合があります。実際の張出幅に対応する定格荷重表と取扱説明書に従い、対応していない状態では作業しないでください。
Q AT限定免許でも運転できますか?
A AT車で、車両総重量・最大積載量などが保有免許の範囲内であれば運転できる場合があります。ただし、クレーン操作と玉掛けには別の資格確認が必要です。実車の車検証と変速機の仕様を掲載店へ確認してください。
Q 雨や強風でも作業できますか?
A 風雨、雷、視界、地盤の変化は作業の安全性に影響します。使用車両の取扱説明書、現場の作業基準、責任者の判断に従い、安全を確保できない場合は作業を中止してください。
Q 操作できなくなった場合はどうすればよいですか?
A 周囲への立入りを止め、安全を確保して貸出店舗へ連絡してください。非常操作は安全装置が制限される場合があるため、掲載店やメーカーの指示を受けずに自己判断で行わないでください。

7. まとめ:車両ごとの説明を確認して安全に利用する

ユニック車を安全に使用するには、必要資格を確認したうえで、荷の重量・作業半径・ブーム・アウトリガー張出幅・作業方向に合う定格荷重を確認することが重要です。

同じ車格やメーカーでも操作方法と能力は異なります。以前使用した車両の経験だけで判断せず、今回借りる実車の取扱説明書、定格荷重表、警告表示、貸出店舗からの説明を確認しましょう。

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※本記事はクレーン付きトラックを使用する際の一般的な確認事項をまとめたものです。実際の作業では、関係法令、使用車両の取扱説明書・定格荷重表、勤務先の作業計画と安全基準、貸出店舗の説明を優先してください。